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本学の取組

 本学は、産学官連携戦略を遂行する上で、過去5年間にわたる知的財産本部整備事業の成果を更に発展させ、本学が得意とするソフトウェア技術をベースとする新たなスキームを構築し、ソフトウェアに係る著作権の管理・活用、ソフトウェア技術移転体制の整備、定着化を図り、大学研究成果のソフトウェア技術の移転、共同研究、ベンチャー創出を増大させることを当事業の目的とする。


事業計画

(1)事業計画の特色
  産学官連携戦略を遂行する上で、本学が得意とするソフトウェア技術をベースとする新たなスキームにチャレンジすることが、本事業計画の特色である。すなわち過去5年間の体制整備事業の成果を更に発展させ、大学研究成果のソフトウェア技術の移転、共同研究、ベンチャー創出を増大させる。
  ソフトウェア技術の移転、ライセンスは特許権のライセンスとは手続き、プロセスが大きく異なり、さらにプログラムソフト、組み込みソフト、シミュレーションソフト、データベース、デジタルコンテンツ等、ソフトウェアの性格によっても技術移転プロセスが異なる。そこで大学の研究、共同研究におけるソフトウェアの比率が圧倒的に高い本学の特徴を生かし、大学ソフトウェア技術移転の仕組み、スキーム(学内体制、情報発信・マーケティング、IT企業経由・研究会・コンソ-シアム等)作りにチャレンジし、それらのノウハウを蓄積して、成果を広く産学官に公開する。
  本学のソフトウェアをベースとした技術移転にはこれまでに無償や共同研究に関わるものは多数あり、更に組み込みソフト有償技術移転(9件)、オープンソフトコンソーシアム創設(COINS コンパイラ・インフラストラクチャ協会)等の実績がある。本学発ソフトウェアをコアとするベンチャー創出(17社中11社)の実績も多い。また4月にはUECソフトウェア・リポジトリをオープンする。
  本学においてもソフトウェアの係る著作権の管理・活用に関しては、特許に比べては体制整備が不十分であったので、本事業ではこれまでの連携・移転成功実績をモデルとして大学発ソフトウェアの技術移転体制の整備、定着化を図る。
  先ず学内のソフトウェアを調査分類し、著作者の確認を得たものから積極的にネットや説明会等で企業に公開、デモを実施して、技術移転や共同研究の機会を作る。大学発ソフトウェアの技術移転に伴う諸問題については、これまでに本学でも種々検討してきた。実際にソフトウェアの技術移転を実施した経験によれば、特許の技術移転と異なりデモや説明等に手間がかかるが、その分企業担当者との交流が深まり、更なる改良、技術移転を目的とした共同研究などが進むポジティブスパイラルの良い傾向がある。それだけに本事業成功のキーは、(1)教職員、研究者、研究室がソフトウェア技術移転とそれをベースとした産学官連携に情熱を持ち、利点を理解し、積極的に時間を割くこと、(2)それを支援する体制を大学が提供すること、特にソフトウェア技術移転専門人材を育成して十分な支援を提供する、ことにある。


(2)特色ある活動を行うための「体制」
  本事業展開の概略は、(1)契約書類再整備→(2)技術移転候補ソフトウェア調査整備→ (3)企業へのデモ、説明会、技術移転条件協議と契約→(4)研究会方式、IT企業経由方式等の体制・規程・契約書類整備→(5)本格的ソフトウェア技術移転活動、共同研究推進→(6)本格的体制・規程類の構築→ (7)ソフトウェア特許等次への布石、である。
  この推進のために、産学官連携担当理事を責任者とする全学的組織「ソフトウェア戦略展開委員会」を設置し、関連学科・専攻、産学官連携推進本部、知的財産本部、TLOが参加することとする。
  事務局は知的財産本部に置き、実務は産学官連携推進本部、知的財産本部、TLO、研究協力課のメンバーが従来どおり一体となって行うとともに、ソフトウェア戦略展開が出来るソフトウェア技術移転専門(若手)人材を早急に育成する。
  ソフトウェア技術移転スキームを構築する体制として、職務著作規程、管理体制一元化といった大学著作権に係る課題は上記学内体制で進めるが、個別ソフトウェア特有の性格、市場性、企業側要求、完成度などを勘案した技術移転の新たな仕組み、特にIT企業経由、研究会・コンソーシアム方式等技術移転に関する課題に関しては、学内教職員を中心に、他大学研究者、企業関係者も含めた研究会を立ち上げる。


(3)特色ある優れた産学官連携活動についての事業期間終了後の「将来像」
・学内規程類、体制等、ソフトウェア技術移転の仕組みが構築され、特にソフトウェア技術移転専門人材が育成・配置される。更に教職員、企業関係者にソフトウェア技術移転に習熟する。
・ソフトウェアの技術移転、共同研究、ベンチャー創出、ソフトウェア特許が増大する。
大学発ソフトの活用が促進され実用性が高まる。

平成20年度業務計画

(1)戦略展開プログラム推進組織体制整備
a.「ソフトウェア戦略展開委員会」設置
関連学科・専攻、産学官連携推進本部、知的財産本部、TLO等から選出した者で構成する「ソフトウェア戦略展開委員会」を設置し、ソフトウェア戦略展開プログラム推進の方向付けを行う。
b.ソフトウェア戦略展開(プログラム)プロジェクトチーム人材確保
ソフトウェア戦略展開プロジェクトチームを設置し、大学発ソフトウェアの技術移転体制の整備、定着化に向けた調査、研究を行う。そのために職員を公募するとともに、学内及び学外の兼務者によりプロジェクト遂行に適した人材を確保する。

(2)ソフトウェア関連法規等の調査
ソフトウェア著作権管理、移転に関する法規、判例、研究資料等を調査収集する。
ソフトウェア特許に関する動向、事例を調査検討する。
オープンソフトウェア、ソフトウェア・リポジトリ等の動向、事例を調査検討する。

(3)国内、海外における大学ソフトウェアに関する調査
国内、海外におけるソフトウェア管理、技術移転等に関する活動実績調査、規程類の整備状況、契約書雛形等について調査する。

(4)学内研究ソフトウェア調査
ソフトウェア著作権管理、移転体制の具体的検討のモデルとするために、学内研究ソフトウェアの調査を行い、ソフトウェア分野に対応した検討対象ソフトウェアをサンプル選定する。

(5)学内規程案、契約書類雛形案の作成と学内検討

学内における議論、検討に供するためにソフトウェア管理、技術移転に必要な学内規程類素案、契約書類雛形素案についての検討、作成を行う。

(6)ソフトウェア・リポジトリに係る管理、技術移転についての検討

試行を開始したUECソフトウェア・リポジトリを対象に管理、技術移転についての諸問題の検討を行う。

(7)情報の発信
事業の取組状況等についてホームページを通じて情報発信を行う。

    






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