●科研費の「基金化」について


 平成23年度より科研費に「基金化」が導入され、日本学術振興会に「学術研究助成基金」が創設されました。
 基金化した以下の種目では、複数年間の研究期間全体を通じた研究費が確保されているため、研究費の柔軟な執行が可能となりました。

 【「基金化」が導入された研究種目(令和3年4月現在)】
  ・基盤研究(B)(応募区分「特設分野研究」の研究課題)
  ・基盤研究(C
  ・挑戦的研究(開拓・萌芽)
  ・若手研究

  ・研究活動スタート支援

  ・国際共同研究加速基金(国際共同研究強化、国際活動支援班、帰国発展研究)

研究の進展に合わせた研究費の前倒し使用が可能になりました。

 これまでの科研費制度では、研究に思わぬ進展があっても、その年度に交付された補助金の範囲内でしか研究費を使用できませんでしたが、科研費(基金分)では、翌年度以降に使用する予定だった研究費を前倒しして請求することにより、研究の進展に合わせた研究費の使用が可能になります。


事前の繰越手続きなく、次年度における研究費の使用が可能になりました。

 研究者は会計年度を気にかけることなく研究を進めることができ、未使用分の研究費については、事前の繰越し手続きなしに次年度以降に使用することができます。


年度をまたぐ物品調達が可能になりました。

 会計年度による制約がなくなるため、前年度に発注した物品が翌年度に納品されることになっても構いません。ただし、年度末の執行に関しては財務課からの通知による執行手続きの期限等がありますので、ご注意ください。

補助金と基金の違い(抜粋)

 

補助金

基金

交付手続き

研究期間中は毎年度、内定→交付申請・交付請求→交付内定をする

初年度、内定→交付申請・支払請求をする
次年度以降は支払請求のみ行う(交付申請は1度のみ)

前倒し請求

調整金の使用により前倒し使用が可能

前倒し請求が可能

次年度への繰越

・事前に繰越の手続きを行い、承認が必要(希望額)
・繰越手続きを行えなかった場合、調整金を使用することにより次年度使用が可能だが、状況によって満額使用できるとは限らない(調整金の使用は研究期間を延長するものではないので最終年度は不可

・事前の手続きを経ずに次年度の使用が可能(最終年度以外:最終年度は期間延長の手続きを行うことによって可能となる)

費目間の流用制限

総額の50%までは承認を得ずに流用可能。ただし、総額の50%が300万円以下の場合は300万円まで。それ以上の流用する場合は事前に学振の承認を受ける必要がある

流用制限に関しては補助金と同じだが、総額とは交付決定額(研究期間全体の総額)であり、各年度に支払われた金額ではないので注意が必要 使用した費目毎の金額とこれから研究期間が続く間に使用する費目毎の金額と交付申請書に記載した費目毎の総額を意識して執行する必要がある

会計年度終了後、補助機関終了後

毎年度、補助金額を精算し未使用分は返還

最終年度のみ額を精算し、未使用分は返納 最終年度の次年度使用には補助事業期間の延長手続きが必要(未使用分は一時返納が不要)

 

なお、ご質問等ありましたら研究推進係(5018 kensui-k@office.uec.ac.jp)にお問い合わせください。